「銀行の暗証番号が思い出せない」 「お正月の筑前煮、どうやって作るんやったっけ?」
母からの何気ない電話で、ふと胸が締め付けられることはありませんか? 母は昔から天然なところがあるので「またまた〜」と笑って流すことも多いのですが、心のどこかで「これって大丈夫かな…」という不安がよぎる。同じ経験をされている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな「親の物忘れ」に直面した私が、母と一緒に取り組んでいる「無理なく楽しく続けられる予防の習慣」についてご紹介します。
日常生活での母の変化は…
最近の母の変化は、物忘れ、銀行ATMの使い方や暗証番号忘れ、計算があわない、不安感、料理のワンパターン化などです。
調べていくと、一般的に、これらは医学的に「軽度認知障害(MCI)」または「認知症の初期症状」として捉えられる可能性が高いサインだそうです。
- ATM操作や計算ミス: 数字の管理や論理的な手順が必要な作業は、認知機能が低下すると真っ先に影響が出やすい部分です。
- 料理のワンパターン化: 料理は「献立を考える→段取りを組む→火加減を調整する」という高度な複合処理です。これが難しくなり、料理がワンパターン化していきます。脳が疲弊しているか、機能が落ちているという明確なサインの一つです。
- 不安感: 自分が「以前のようにできなくなっている」ことを無意識に察知して、自信を失い、不安を感じている状態かもしれません。
母の場合は、一般的な規則正しい生活(少し夜型傾向)は出来ていて、一人暮らしで大きな支障は今のところ見られません。
完全に出来ないわけではなく、出来ることもあり、ムラがあります。

受診するのも選択肢ですが、本人の恐怖心や恥ずかしさも考慮し、まずは受診への土壌作りとして「生活習慣の改善」から始めることにしました。
無理せず続けられる「食事&サプリ」ケア
認知症に良いとされる食材やサプリは色々あるのですが、高齢の親にとって、あれやこれや言うの
はハードルが高いもの。そこで、2種類だけ勧めてみました。
薬ではないし、大きな期待はかけてませんが、心のお守り代わりです。
- DHAサプリ: 魚料理が減りがちな母へ。毎日飲むだけの習慣で、母も「これなら簡単!」と気に入っています。
- MCTオイル: 脳のエネルギー源となる「ケトン体」を増やす目的で。コーヒーやお味噌汁に入れるだけなので、食事の味を変えずに取り入れられます。
おしゃべりをする
- 会話の頻度が極端に低いと、認知症リスクが2倍以上になる
- 人との交流が活発な人ほど認知症の発症リスクが低い
これは、私にとって、なかなかハードなのですが、LINE電話する頻度を多くしました。
母は、おしゃべり好きなのですが、父や兄弟が相次いで亡くなり、近所の友人も段々と減り、気軽におしゃべりする相手がいなくなりました。地域の集会所で習い事を始めてみても、合わなかったみたいで、すぐに辞めてしまいました。
月二回の訪問の上に、LINE電話は大変なので、遠くに住む兄にも連絡して、巻き込んでLINE電話作戦を行っていきます。
今後、アレクサを導入を検討しています。
運動は、買い物で。
運動が良いのは、分かるのですが、母には運動習慣がありません。運動が苦手でもあります。
2週に一度、私と一緒に買い出しに行っています。そして、日々のちょっとした買い物は、自分で買いに行ってもらっています。貧乏性でタクシーを使わず、歩いて買い物に行きます。カートを引いて、片道20分~30分歩いてスーパーに行っている模様です。
なので、これ以上の運動は今のところは勧めてはいません。
これだけ歩けているだけで十分です。
「推し活」が最強!楽しみながら脳を刺激
母は、とあるドラマからsnowmanの目黒蓮君の大ファンになりました。おかげで、父亡きあとも一人暮らしを続けていけています。
「推し活」が認知症予防に効果的と言われる理由は、脳科学の視点から見ると「感情の大きな動き」と「目標のある日常」が作られるからです。
- ドーパミン(快楽物質)による脳の活性化
推しを見る、推しの情報を追うという行為は、脳内で「ドーパミン」という物質を大量に分泌させます。「ワクワクする」「楽しい」「嬉しい」という感情は、脳を直接的に興奮させ、血流を良くし、神経細胞の働きを活発にします。 - 「記憶力」と「意欲」を強制的に引き出す
推し活には「最新の情報を知りたい」「出演番組をチェックしたい」「グッズを並べたい」といった、本人にとって魅力的なモチベーションがあります。
ということで、私がしたことは…
母が簡単に目黒君情報にありつけるようにテレビはYouTubeがすぐに見れるようにしています。
タブレットも渡して、YouTubeを簡単に見れるようにしています。
そのほかにも目黒君が表紙の雑誌とかも買って渡したりしています。
意欲はすごいです!LINEの仕方はすぐに忘れるのに、YouTubeの見方はちゃんと忘れず身についてます(笑)
また、目黒君の出る番組を見るために、早く風呂に入ったり、夕食の準備を終わらせたりと、前もって計算をして生活をすることも出来ているのです。

「推し」の存在は、一人暮らしの母のメンタル面での支えになっています!
密かな注目習慣:「日記」を勧めるも…
最近私が注目しているのが「日記」です。
研究によると、日記を書く習慣がある方は、認知症の発症が約40%遅れるというデータもあるのだとか。記憶の整理や感情の安定にもつながります。
訪問介護での利用者さんで、90才すぎの高齢でも頭がしっかりした人達は、なんと日記を書いてる傾向があるのです!(私調べ)
なので、母にも勧めるのですが、正直、今のところ母にはあまり刺さっておらず(笑)、向き不向きはあるようです。いつか気軽に書けるような工夫ができればと考えています。
完璧を目指さなくていい。楽しく「抗う」ことが一番
はっきり言って、これらを行ったからといって、劇的な変化がすぐに現れるわけではありません。それでも、認知機能の下り坂を少しだけ緩やかにできれば、それは大きな成果だと思っています。
そして何より、これは「あとで後悔しないための、自分自身へのケア」でもあるのかもしれません。
認知症予防は、完璧でなくていい。 母と私、それぞれができる範囲で、これからも楽しく「抗って」いこうと思います。


