コンビニ人間 村田沙耶香著

えとせとら

2016年の芥川賞受賞作である「コンビニ人間」

ブックオフにいつも何冊もあるし、当時よく売れたんだなと思い、読んでおかねばと思いつつ、かなり遅ればせながら、本日積読から既読となりました。

村田沙耶香さんの『コンビニ人間』は、とにかく「普通ってなんだ?」と考えさせられる小説だった。主人公の古倉恵子は、コンビニで働くことに全てを捧げていて、その生活が彼女にとって一番心地よい。でも、周りは「普通じゃない」と心配する。読んでいるうちに、「普通」に馴染めないのは彼女だけなのか? それとも、周囲の人たちのほうが変なのか? そんな疑問が湧いてくる。

村田さんの文章はシンプルで、スラスラ読めるのに、じわじわと「社会の違和感」を突き付けられては考えさせられるから、薄い本なんだけど、思いのほか進まない。特に、主人公の視点が独特で、私たちが当たり前だと思っている価値観が、ちょっとズレた角度から描かれているのが面白い。「現実にも、こんな風に考える人もいるのかもしれない」と超凡人の私は新感覚で、最後まで飽きずに読める一冊だった。

「自分らしさ」って何なのでしょうか、無理に社会に合わせなくちゃいけないのか、そんなことを考えさせられる作品。読み終わったあとも、しばらく頭から離れない小説だった。


村田沙耶香のほかの作品紹介

『地球星人』2018年8月
『コンビニ人間』よりもさらにぶっ飛んだ作品。家族や社会の圧力に苦しむ主人公が、独自の「生き方」を求める話で、かなり衝撃的な展開が待っている。読後のインパクトがすごい。

『殺人出産』2014年7月
表題作は、10人産めば1人殺してOKという価値観が成立した社会を描いたSF的短編。倫理観が揺さぶられるような話が詰まっていて、一気に読める。

『変半身(かわりみ)』2021年6月
「人間の身体って、どこまで変化していいの?」というテーマを突き詰めた短編集。ホラーっぽい要素もありつつ、人間の根本的な欲望を描いている。

『信仰』2022年4月
「信仰」をテーマにした短編集で、どの話も常識が揺さぶられるような内容。特に表題作では、ある種の”信じる力”が人間をどう変えていくのかが描かれていて、じわじわと不気味さが増してくる。村田沙耶香らしい、奇妙で独特な世界観が楽しめる一冊。

どの作品も、村田沙耶香さんならではの独特な世界観があって、普通の日常が一気に「異質」に感じられる瞬間があります。『コンビニ人間』が好きなら、他の作品もぜひ読んでみてください!

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