『ウェン王子とトラ』読み聞かせ時間8分
『ウェン王子とトラ』を読み聞かせたとき、教室にはしばらく静寂が流れました。
まるで長編小説を読み終えたような、余韻。
卒業前や学年の締めくくり、心を揺さぶる1冊を探しているなら――この絵本をぜひ手に取ってみてください。
絵本『ウェン王子とトラ』とは?
基本情報
- タイトル:ウェン王子とトラ
- 作・絵:チェン・ジャンホン
- 訳:平岡 敦
- 出版社:徳間書店
- 対象年齢:10歳くらいから〜大人
- 価格:2,090円(税込み)
- ページ数:48ページ
あらすじ(ネタバレなし)
むかし、夜ごと村をおそうトラにこまりはてた王に、「王子をトラにさしだせば、国に平穏がおとずれる」と。国の占い師が予言します。
悲しみの末、王様は幼い王子をトラのすむ森に置き去りにするが…?
人間を憎みながらも、おさない者を愛する気もちを忘れなかったトラ。
トラの元で強く優しい少年に育った王子。
人とけもののあいだに生まれた絆が心ゆさぶります。
迫力の大型絵本。中国の水墨画の手法で描かれた力強い絵は、各国で高い評価を得ています
2005年ドイツ児童図書賞受賞。
読んでみた感想|心揺さぶられる、大人にも響く絵本
時間の経過が感じられ、長い小説を読んだような読後感です。
私、時間の経過(年の積み重ね)が感じられる本が、個人的にとっても好きです。
自分も一緒にその時間を過ごした感じがするんですよね。
それが、内容に厚みを持たせているのかもしれません。
シンプルなストーリー展開だけど、だからこそ分かりやすくて、心に入ってきます。
そして、わたしも母なんで、母トラ目線で読んでしまって胸が詰まってしまうんです。
「我が子の成長」「別れ」「絆」「信頼」
こんな言葉がキーワードかなぁ。
読み聞かせをする方は、途中で胸がつかえて読めないってことにならないように注意しましょうね♫
読み聞かせしてみた感想|教室が静まりかえる余韻
3年生の教科書に載っているそうですが、より深く物語を味わってもらえるのは、高学年になってからのような気がします。
毎回、みんなの反応がいいので、この本は必ず高学年に読みます。
わたしは、この本の時は、前置きはなしにすぐに読み聞かせに入ります。
何も気を引かなくても、表紙の画と1ページ目の画だけで聞く体勢が半分くらいは出来上がってしまうような気がしています。
そして読み聞かせ最中、どんどん物語に入り込んでいっているのが分かるんです。
そして、読み聞かせが終わると教室は一瞬シーンと静まり返ります。
この瞬間がたまりません!
それぞれが何か感じているんだろうと思うけど、それを聞くのは野暮ですよ。
その余韻を感じてほしいな~。読書の醍醐味『読後感』
また大きめの絵本で、絵の迫力がとにかくすごいです。
中国の水墨画の手法だそうで、独特で素晴らしいです。
細部まで描き込まれた動物の表情、美しい森のトラの住処。無邪気な幼い王子。
色使いも素晴らしいから、そこも見て感じてほしいな~
まとめ|絵も美しく、手に取る価値のある一冊です

チェン・ジャンホンさんの他の作品も高評価!!
作者のチェン・ジャンホンさんは他にも絵本を出版されており、どれも高評価です。
やはり画を味わってもらうためなのでしょうか、大型本での出版です。
ご興味があれば、こちらもご一読されてはいかがでしょうか?
★★Amazonでこの世でいちばんすばらしい馬 を見る★★
大型本 – 2008/12/1 チェン ジャンホン (著), 平岡 敦 (翻訳)

★★Amazonで ハスの花の精リアン を見る★★
大型本 –2011/4/16チェン・ジャンホン (著), 平岡 敦 (翻訳)

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